「Hot Rats」のリリース50周年を記念して、シングル「Peaches En Regalia」/「Little Umbrellas」を初めて公式リリースした。このレコードは、2019年10月8日のブラックフライデーに発売が発表されたもので両曲のモノラル・シングル・ミックスをA面に、リズム・トラック・ミックスをB面に収録したが、発売された初期発売版では裏表が逆になっていた。2019年12月20日に6枚組のボックスセットThe Hot Rats Sessionsが発売されても、この商業的な可能性を秘めたシングルがなぜ当初は発行されなかったのかはわからないままである。このボックスセットでは、「Natasha」が 「Little Umbrellas」の原題であることが明らかになった。

 「The Hot Rats Sessions」には、「Peaches En Regalia」と「Little Umbrellas」の複数のバージョンが収録されている。このセットに収録されている「Peaches」バージョンは、このシングルに収録されている2つに加えて、「Prototype」、「Section 1, In Session」、「Section 1, Master Take」、2つの「Peaches Jam」パート(未使用の2番目の 「Peaches」セクション)、「Section 3, In Session」、「Section 3, Master Take」となっている。「Little Umbrellas」関連では、「Natasha」の「In Session」と 「Master Take」に加え、「Little Umbrellas」の「Cucamonga Version」(1962年にパル・レコーディング・スタジオで、サックスのマイク・ディネリ、ドラマー/エンジニアのポール・バフ、ギターのザッパで録音されたアセテート盤)、「1969 Mix Outtake」とクレジットされたテイク、そしてこの10インチ・シングルの2つのバリエーションが収録されている。さらに、ボックスセットのトラック「Piano Music (Section 3)」では、「Peaches En Regalia」と「Aybe Sea」が引用されている。この10インチに収録されている「1969 Rhythm Track Mix」のバージョンには、「Peaches En Regalia」の前の「Can you still hear me? Can the machine hear me? Bingo bango bongo?」、「Little Umbrellas」の前の「Watch me now!」にボックス・セットのトラックに収録されているザッパによるしゃべりだしがない。しかし、このシングルでは、ボックスセットとは異なり、不必要に早くフェードされている「Peaches」のリズムトラックミックスの一番最後にフランクのしゃべりが聴こえる。シングルミックスの「Peaches En Regalia」の2:35.2では、オルガンの音を10分の1秒ほど繰り返すデジタルエラーが発生している。「Little Umbrellas」のリズムトラックミックスでは、1分20秒から右チャンネルがガタガタになっている。この2つの問題は、このシングルとボックスセットに収録されている。

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