エアニは、まったく無名のグループをパルのスタジオに呼び込む才能があった。コーデルズは1963年の終わりにスタジオに来て4曲を録音したが、そのうちの2曲はこのシングルに収録されており、他の2曲（Sand FleaとDown Under）はとっくの昔に失われてしまっていた。エアニはこの4曲を自身のレーベル、Ador（アドー）と契約し、コンラッド・アンド・ザ・ハリケーン・ストリングスのシングルに続くレコード番号を使用した。Happy TimeとI Love How You Love Meは1964年1月にリリースされた唯一のアドー・レーベルの作品である。カレー&アーヴィンのプロデュース・クレジットはこのリリースだけで順番が逆になっている。

　Happy Timeはサーフボードに乗ったようなワイルドな曲で、ギターを中心とした高揚感のある曲と、ドラミングの組み合わせが特徴的だ。ザ・パリス・シスターズの1961年のヒット曲I Love How You Love Meはサーフ・インストゥルメンタルのフォーマットではうまくいかないだろうと思っていたかもしれないが、それは間違っていた。このリラックスしたギター・アレンジはここでは完全な勝利だった。このレコードの流通があまりにも悪かったのが残念である。なお、この曲はバフの５CDで聞くことが出来る。