この頃までに、ザッパは異色の音楽制作者であり、ギタリストとしての評判を高めていた。ブルースのベテラン、バリー・ゴールドバーグはミッチ・ライダー&ザ・デトロイト・ウィールズのDevil With The Blue Dress On/Good Golly Miss Mollyで演奏する前に自身のグループ、テンプターズとレコーディングを行っていた。バリーはヴォーカリスト/ギタリストのスティーブ・ミラーと2枚のシングルをレコーディングした後、このソロ・シングルをVerve/フォークウェイズからリリースしている。トム・ウィルソンをプロデューサーに迎え、ザッパはゴールドバーグの曲Carry Onのリズム・ギタリストという変わった役割を担った。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドのギタリスト、マイク・ブルームフィールドがリードギターだった。Carry Onの最初のヴァースは、不思議なことに最初のコーラスの前の部分にフェードアウトしていく。非常に面白い曲ではあったが、商業的な曲ではなかった。

 MGM/Verveのマスターナンバーを見ると、Carry Onの録音日は1966年12月10日から14日の間となっている。バターフィールドもザッパもこの時期はフリーでニューヨークにいた。B面は1967年2月15日に録音されたもので、オルガンを中心としたインストゥルメンタルである。このレコードの両面は一度も復刻されていない。プロモーション用のコピーしか出回っていないようだが、通常盤が出ている可能性は十分にある。

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