ロサンゼルスで結成された当時のバンド、ザ・ナックはキャピトルと契約し、1966年から1968年にかけて4枚のポップ・シングルを発表した。彼らの最初のリリースであるTime Waits for No Oneと I'm Awareはチャートには入らなかったが、確固たる支持を得た。ザ・ナックは1966年12月12日に2枚目のシングル盤の制作を開始した。B面のThe Spellは素晴らしい出来上がりで、この日にキャピトル・スタジオで録音された。メイン・ソングライターのマイケル・チェインとディンク・カプランが A面のSoftly, Softlyを制作するまで数ヶ月を要した。1967年2月28日にレコーディングしたとき、彼らはこの曲のアレンジを完成させるためにはピアノが必要だという結論に達した。

 ザッパがニック・ヴェネットのプロデュースで1967年3月中旬に行われる次のキャピトル・セッションに向けてLumpy Gravyの素材を準備していたことがザ・ナックにとって幸運だった。ジミー・カール・ブラックとレイ・コリンズも偶然にも参加していた。ニック・ヴェネットはザ・ナックのセッションを担当していたので、ザッパと彼らにSoftly, Softlyを手伝ってもらうように頼んだ。マザーズ達がこの曲に加えた微妙なタッチが、非常にプロフェッショナルなシングルの最終マスターを生み出した。しかしながら、このシングルは前作と同じようにさほどヒットはしなかったが、日本、ドイツ、ニュージーランドでリリースされた。Softly, SoftlyとThe Spellモノラル・シングル・マスターは、イギリスのコンピレーションCD Time Waits For No One: The Complete Recordings(Now Sounds CRNOW 38、2012年8月7日発売)に収録されている。

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