これもフランク・ザッパだけがクレジットされたMOIのシングルだったが、ユナイテッド・アーティスツはこの曲をどうするか決めかねていた。「What Will This Evening Bring Me This Morning」(ここではベースのオーバーダブなし)は、1970年にザッパが「200 Motels」という映画プロジェクトの資金集めのために発表したデモである。フロ&エディのボーカルは、リアルタイムでもスピードアップしている。この曲は、1970年6月~12月のマザーズ・ツアーで演奏された7曲の「グルーピー・オペラ」の冒頭を飾る「What Will This Morning Bring Me This Evening」が発端となっている。どちらの「What Will...」も音楽的には共通している。「What Will This Morning...」のライブバージョンは、「Beat The Boots II: Tengo Na Minchia Tanta」(1970年11月13日のニューヨーク公演)や、映画「200 Motels」で聴くことができるが、サウンドトラックには収録されていない。「What Will This Evening Bring Me This Morning」は、1970年8月21日(カリフォルニア州サンタモニカのCivic Auditorium)と、1970年11月29日のレイトショー(イギリス・ロンドンのThe Coliseum)で演奏されたことが知られている。

 ユナイテッド・アーティスツは、「200 Motels」のA面候補として「What Will This Evening Bring Me This Morning」が最適かどうか、考え直した。アルバム曲のフルバージョンがシングルに予定されていたのだが、「次の日に何を言おう」という部分が3分半近い曲の最後の2分を占めていた。また、この曲は、淋病について言及したザッパの数ある曲:「Groupie Bang Bang」、「Who Needs The Peace Corps?」、「Our Bizarre Relationship」、「Road Ladies」、「The Clap」、「Dinah-Moe Humm」、「Why Does It Hurt When I Pee?」の中でも、この曲はその一つである。ユナイテッド・アーティスツの本社は、「What Will This Evening...」と「Daddy, Daddy, Daddy」をB面にしたこのシングルの北米での発売を中止することを選択したが、ヨーロッパの関係者には発売を申し出た。1971年11月下旬にイギリスとオランダで発売されたこのシングルは、後者がピクチャースリーブに包まれていた。イギリスのプロモーション盤と通常盤はセンターが押し出された状態で製造され、一部の通常盤はセンターがしっかりした状態で発売された。

 「Daddy, Daddy, Daddy」は、1970年6月から12月にかけて、フロ&エディのラインナップで行われた「グルーピーオペラ」の5番目の作品である。「Beat The Boots II: Tengo Na Minchia Tanta」には、1970年11月13日の公演が収録されている。前述のように、「Daddy, Daddy, Daddy」には、「Tell Me You Love Me」のギターリフが使われている。「Daddy」は、フィルモア・イーストで発売された "Bwana Dik "の演奏で取り上げられた。また、1971年5月18日、カリフォルニア州クレアモントにあるポモナ大学のブリッジズ・オーディトリアムでも演奏された。「Daddy」は、1976年秋と1977年秋のツアーで復活した。「Filly '76」では、1976年10月29日のスペクトラム・シアターでのライブでのこの曲を収録している。1976年11月19日にミシガン州デトロイトのコボ・ホールで行われたライブでは、フロー&エディがヴォーカルでゲスト参加している。1984年の欧州・北米ツアーでは「Daddy, Daddy, Daddy」を演奏している。

 このシングルのフランス盤(United Artists UP 35 319)はピクチャースリーブで、オランダ盤(United Artists 5C 006-93125)はアートスリーブだった。「Daddy, Daddy, Daddy」はイタリアのプロモ・シングル(United Artists YD 303)の片面で、裏面にはSpinachの「Action Man」が収録されていた。

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