ユナイテッド・アーティスツは、「200 Motels」のサウンドトラックを宣伝するためには、「Magic Fingers」がA面としてふさわしいと考えた。「Magic Fingers」は、ザッパがジョン・ジョセフ・ホータリングの発明品である「マジック・フィンガーズ・バイブレーション・ベッド」に捧げた曲である。1958年に発売されたこのベッドは、アメリカやヨーロッパのホテルやモーテルで見かけることができた。「Magic Fingers」のシングルは、ハワード・ケイランのモノローグの前にフェードアウトした。1997年に発売されたライコディスクのダブル・サウンドトラックCDの最後の曲として収録されている。裏面は前回のユナイテッド・アーティスツのシングルのカップリングと同じで、プロモーション用のコピーには再びA面のステレオとモノラルバージョンが掲載された。唯一の不満点は、MOIがクレジットされていないことである。

 「Magic Fingers」は、「Playground Psychotics」のトラック「The Worst Reviews」の時にバックで聞くことができる。1974年11月30日、イリノイ州ネイパービルのノース・セントラル・カレッジのフィールド・ハウスで行われた 「Trouble Comin' Every Day」の演奏中に取り上げられている。1978年8月から10月にかけての「Magic Fingers」のライブバージョンは、「Beat The Boots I: Saarbrücken 1978」、「Chicago '78」、「Halloween」で聴くことができる。1980年10月~12月のバンドの「Magic Fingers」は、「Stage Vol.6」に収録されており、スティーヴ・ヴァイの「The Secret Jewel Box」セットの第2巻で繰り返し演奏されている。この曲は1987年にリハーサルが行われたが、1988年のツアーには選ばれなかった。先に述べたように、「Magic Fingers」は、歌詞の中でクロムについて言及している数多くのザッパの曲の一つである。このシングルはイタリアで発売された(United Artists UA 35344)が、裏表が逆でピクチャースリーブだった。この時、アルゼンチンでは、B面にジェスロ・タルの「Thick As A Brick」と「Holiday In Berlin」(『Uncle Meat』より)の2曲を収録した、珍しい33 1/3rpmのプロモEP(Music Hall/ Reprise 183)がリリースされた。この時もタイトルはスペイン語で書かれていた。

 1972年11月7日に行われたアメリカ大統領選挙の投票をラジオリスナーに呼びかけるために、National Association Of Progressive Radio Announcers(全米進歩的ラジオアナウンサー協会)が一連の公共サービスアナウンスを作成した。同じ内容で「72 Vote P.S.A's」(略)と題された33 1/3rpmの12インチステレオレコード2枚が発売された。1枚目はカスタム・プレスで、アート・スリーブが付いていた。レコード会社は明記されていないが、ユナイテッド・アーティスツのプロモ・リリース・ナンバー「SP-79」が付けられている。フランク・ザッパの50秒プロモは第2面の14曲目、「The Phlorescent Leech & Eddie」は第1面の5曲目(60秒)と6曲目(30秒)である。2回目のプレスは通常のユナイテッド・アーティスツ・レーベルで、同じプロモ・カタログ番号で発行された。

 

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