ユナイテッド・アーティスツがザッパの「200モーテル」プロジェクトの映画化権を獲得し、1971年1月下旬から2月上旬にかけて撮影を行った。サウンドトラックとフィルム・マスターが完成したので、ユナイテッド・アーティスツは2枚のプロモーション・シングルとフィルム・トレイラーでそれらを宣伝することになった。このモノラル・シングルは、素材が揃う前に用意されたもので、これらのスポットは、ナレーションや効果音を使ったくだらない社内イベントが中心であった。1分間のCMではザッパとサウンドトラック・アルバムについて、30秒のCMではこのシングルが最初に配布された時にはまだ公開されていなかったサウンドトラックと映画について語られた。

 ユナイテッド・アーティスツのUACシリーズから、映画のサウンドトラックを紹介する片面33 1/3rpmのディスクが発行されている。このシリーズのシングルのレーベルコピーは、上部に太字で映画のタイトルと引用文、下部にカット(トラック)番号と時間が記載されているだけの非常にシンプルなものであった。このステレオ盤は、アルバムからの抜粋で、マザーズのメンバーであるハワード・ケイラン、マーク・ヴォルマン、そしてザッパが特別に録音した肉声を使用している。1997年10月14日に発売されたライコディスクの「フランク・ザッパの200モーテル」(RCD10513/14)の2枚目のCDには、4本のCMがすべて収録された(プロモ・シングルには記載されていない字幕付き)。ザッパはこのサントラの権利を所有していなかったため、それ以降は復刻されていなかった。「カット1」では「Coming Soon!...」というサブタイトルがついており、ケイランとヴォルマンのナレーションのテーマとしてドラッグレース風の構成で作られた。また、「Strictly Genteel」と「I'm Stealing The Towels」のクリップも使われた。「I'm Stealing The Towels」はサウンドトラックに収録されていたが、本編には収録されていなかった。「カット2」のサブタイトルは「The Wide Screen Erupts...」だった。フロとエディがオープニングとクロージングのセールストークで、「I'm Stealing The Towels」、「Strictly Genteel」、「Does This Kind Of Life Look Interesting To You」のクリップに合わせて無名のプロのアナウンサー口調で話した。「カット3」(字幕は「Coming Soon!...」)は、ケイランとヴォルマンのドラッグレース風の語りとしたテーマの別テイクで、バックに音楽は流れていない。最後に、「カット4」(字幕:「Frank Zappa's 200 Motels...」)は、カット1を大幅に編集したもので、ケイランの映画タイトルの朗読と「I'm Stealing The Towels」を少しだけ使っている。4つのスポットの最後には、ザッパが放送作家の声でこの映画がR指定であることを伝えている。

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