このEPは、Ship Arriving Too Late To Save A Drowning Witchの英国LPの初回盤に無料で付属していた。レコード番号はイギリスCBSのプロモーション・シリーズの一部であったが、市販のアルバムに同梱されていたため、その種のリリースとしては記されていなかった。このLPとシングルの組み合わせは、オランダで発売された「Shut Up 'N Play Yer Guitar」シリーズ全3巻のボックスセットに合わせて企画されたものであった。このボックスセットは、ヨーロッパで広く流通した。ザッパは、アメリカのレコード店がオランダのボックスセットを販売していることを知り、その需要に応えるために国内でボックスセットを作る必要があった。このEPに収録されている3曲のうち2曲は、1979年2月17日に行われたロンドン公演の音源である。1曲目の「Shut Up 'N Play Yer Guitar」は、そのハマースミス・オデオンでの演奏である。この「Inca Roads」のソロのロング・ミックスは、未発のアルバムWarts & Allに収録される予定だったときには「Streets And Roads」と呼ばれていた。このEPでは、アルバムShut Upとは異なり、トラックの最初と最後のセリフが入っていない。このトラックは、セリフがかかる位置までフェードインする。2:21~2:31と3:07~3:13の間でザッパが弾いていたギターのフレーズは、後に「Thirteen」や「Canarsie」に組み込まれ。このフレーズは、このEPの別の曲「Why Johnny Can't Read」にも入っていたが、発売前に編集されてしまった。

 「Variations On The Carlos Santana Secret Chord Progression」(ト短調からハ長調への変化)のギターソロは、1980年12月11日にカリフォルニア州サンタモニカで行われた「City Of Tiny Lites」のレイトショーからである。ザッパは、この曲の3:15~3:38の間に、ギターのピックのエッジを使って音を鳴らす、いわゆるブルガリアン・バグパイプ奏法を使っている。「Variations」の最後に、キーボード、パーカッション、テリー・ボジオの「Ah...e-hem...」という発声で2秒間のセリフが入っている。「Why Johnny Can't Read」は、このEPに収録されているもうひとつのハマースミス・オデオンの曲である。これは「A Pound For A Brown On The Bus」のソロである。このシングルの2:10-2:17では、アーサー・バロウが黒人奴隷労働歌の「Shortnin' Bread」をさりげなく引用している。

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