ザッパは、1982年の展示会でシンクラヴィアIIのデモを見てから、デジタルミュージックシステム"シンクラヴィア"を自分の武器にした。シンクラヴィアを使用したザッパの最初のアルバムは「Boulez Conducts Zappa: The Perfect Stranger」であったが、ザッパは1982年からシンクラヴィアを使ってレコーディングを行っていた。ザッパは最近、アルバム「JAZZ FROM HELL」をリリースしていたが、このアルバムでは1曲のライブトラック(「St.Etienne」)を除いてシンクラヴィアを使用していた。Black Page No.1」のシンクラヴィア・アレンジは、同アルバムの多くの曲で使用されているサウンド・サンプルから生まれたものだ。

 シンクラヴィアを使用する際のフランクの役割は、あくまでもオーディオ素材の制作者である。Black Page No.1」を含むザッパの作品の唯一の"演奏者"はシンクラヴィアシステムであり、ボブ・ライスの膨大なコンピュータワークとオーディオサンプルを使ってザッパが作ったものを実現したのである。Black Page No.1」のリードシートは、添付のフレキシを収録したキーボード・マガジンに同梱されていた。このディスクのB面は、同じようなフレキシディスクに掲載されることで、将来の広告主を惹きつける意味があった。

 現在は廃盤となっている「Beat The Boots III」の第3弾に収録されていた以外は、中古市場でしか手に入らない規格外の音源である。また、1987年4月10日にイギリスで発売されたザッパの7インチピクチャーディスク・インタビュー・シングル4枚組(BAKTABAK BAKPAK 1003)も規格外である。

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