この1年後に彼が作ったレコードのピクチャー・スリーブを見ると、ロバート・デイヴィスはおそらくパル・レコーディング・スタジオに入ってきた中で最も変わった容姿の人物だった。彼はプロクター・アンド・ギャンブル社が同名のクリーニング製品に使用していたミスター・クリーンのキャラクターの身体的特徴をすべて持っていた。このミスター・クリーンはしっかりとしたR&Bの声を持っていて、ザッパは彼にクオリティーの高い曲を2曲提供して録音した。

 A面にはドロシー・ベリー(Louie, Louieの作曲家リチャード・ベリーの妻)と彼女のヴォーカル・グループ、ザ・スウィートハーツがバッキング・ヴォーカルとして参加している。綺麗に録音され、完璧に仕上げられたMr.Cleanはシングルとしては非常に売れ筋のレコードであった。ザッパはバッキング・ヴォーカルを担当していたが、特に途中で「彼は世界で最も偉大な恋人だ」と言った。ザッパのドラム・サウンドもしっかりと響いていた。B面のJessie Leeはバフのファズベースを見事に利用していた。確かに他のレコードとは違うサウンドになっていた。

 このシングル、前作のHollywood Persuaders 45、そしてバフがエアニと組んだローテーションズのレコードはすべてOriginal Soundからリリースされた。ザッパはGrunion Runと同じ日、1963年6月27日にこの2曲の出版契約を結んだ。Mr.CleanとJessie Leeはその後も何度もリリースされた。

 Mr.Cleanの代替モノラル・ミックスはアルバムJoe's Xmasageで2005年に初めてリリースされた。なお、このCDでザッパの最初の妻ケイ・シャーマンの声が冒頭で聞ける。ドロシー・ベリーとザ・スウィートハーツのバッキング・ヴォーカルは入っておらず、数秒短くなっていた。ロバート・デイヴィスについては、彼はワシントン州シアトルを拠点に活動し、1964年にザ・クリーンサーズというバンドを結成した。ミスター・クリーン・アンド・ザ・クリーンサーズは、Karate(Camelot CS-136)とThink/Poison Ivy(Audio Recording AR-118)の2枚のシングルをリリースしている。Thinkはクラシカルなピクチャー・スリーブ付きシングルとなっている。

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